研究課題/領域番号 |
06650058
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小舘 香椎子 日本女子大学, 理学部, 教授 (20060668)
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研究分担者 |
下村 恭子 日本女子大学, 理学部, 助手 (20257067)
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キーワード | 回折光学素子 / 高効率化 / バイナリーオプティクス / ゾーンプレートアレイ / 液晶空間光変調器 / 光学的ウェーブレット変換 / 実時間光並列演算システム / 顔画像の相関演算 |
研究概要 |
1.試作回折光学素子の高性能・高機能化:回折光学素子のバイナリー化のためのEB描画マスクの設計をワークステーションを用いて行った。特に、各レベルの位相変調振幅の最適化とマルチレベルに伴う結像特性などの評価のための検討をキルヒホッフの回折理論を用いた波動的取扱いにより、シュミレーションを行った。設計に基づき試作したマスクを用い、リソグラフィ法による転写とリアクテイブイオンエッチングを交互に行い、階段状の矩形断面をもつ4レベルと8レベルのバイナリーゾーンプレートアレイを作製し、65%までの高効率を得た。さらにマスクアライメントによる誤差をさけるために、最小ライン幅を2.6μmとして、4レベルと8レベルを組み合わせて試作し、実用化が可能な85%までの効率の向上を可能とした。 2.高精細液晶の光情報処理デバイスの特性:ピクセルサイズ30μm×45μmのツイストネマテッィク液晶を用い、空間光変調器として2次元的な光情報処理に適用するための光学特性を測定した。光学特性としては、光源の偏光、光強度と均一性や位相変調振幅との相関などを実験とシュミレーションにより解析を加えた。 3.回折光学素子と液晶を組み合わせた実時間光演算システムの実現と基礎実験:試作した回折光学素子をフーリエ変換素子として用い、さらに特性を検討した液晶と組み合わせ、光学的ウェーブレット関数を用いた実時間光演算システムを組み、文字情報や顔画像情報の並列演算を行い、光学素子の高効率化とアレイ化により高速性のある光演算の可能性を得た。 4.以上、平成6年度の研究成果の一部は、記載した論文の他に1994年秋の応用物理学会(2件)、光学連合シンポジウム(2件)で発表し、また、1995年春の応用物理学会(光計測シンポジウムを含め6件)で発表予定である。
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