研究課題/領域番号 |
06650061
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究分担者 |
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
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キーワード | 酸化物蛍光体発光層 / 薄膜EL / 青色発光TFEL素子 / Zn_2SiO_4:Ti / Y_2SiO_5:Ce / CVD |
研究概要 |
本研究の目的は、焼結強誘電体BaTiO_3セラミックシートを基板兼絶縁層とし、その上に青色発光を可能とする酸化物蛍光体薄膜発光層スパッタ法及びCVD法を駆使することによって形成した薄膜EL素子において、低電圧駆動高輝度青色発光EL素子の作製技術の確立を図ることである。 本年度において得られた成果は次の通りである。 (1)Zn_2SiO_4:Ti蛍光体作製時の母体の組成比について検討した結果、ZnO/SiO_2混合比1.5で作製した粉末をスパッタターゲットに用いた素子において、高い輝度が実現出来た。(2)Zn_2SiO_4:Ti蛍光体薄膜作製時のアニール処理温度は薄膜の相解析の結果から1000℃で5時間の処理が最適であることがわかった。得られた発光輝度は最高15.8cd/m^2、CIE色度座標はx=0.142、y=0.115であった。この系については過去の輝度を上回る値は得られなかった。(3)ZnソースとしてZn(acac)_2、SiソースとしてTEOS、酸素ソースとして空気そして発光中心としてTiテトライソプロポオキシドを採用したCVD法を用いて上記同様の蛍光体薄膜発光層を有するEL素子を作製した結果、最高発光輝度は0.01cd/m^2以下と高輝度は得られなかった。今後は他の蛍光体母体材料や発光中心を探索する必要がある。(4)一方、Y_2SiO_5:Ceをスパッタターゲットに用い、スパッッタガス圧8Pa、基板温度250〜300℃の条件で成膜を行った後、純Arガス中、1035℃、7時間のポストアニールを施した結果、14.2cd/m^2の青色ELを実現できた。CIE色度座標はX=0.176、Y=0.138であった。しかし、これ以上の輝度を実現するためには更なる工夫が必要である。特に他の蛍光体母体材料の検討が必須である。
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