NdドープLiNbO3結晶に半導体レーザ(808.6nm)を照射した場合の吸光・発光特性を測定した。その結果つぎのような結果を得た。 1)Ndドープ量1%と3%の基板について両特性は、後者の方が吸光、発光効率とも大きかった。又吸収のピーク値はTE、TM偏光で異なり、後者の方が大きく、1084nm辺りで最大のピークを示すことが分かつた。 2)発光スペクトルの遷移確率を変えるため、結晶の温度を常温から150℃まで変化させた。おしなべてスペクトル分布はブロードになるが最大ピーク波長の発光は90℃までは増加し、これ以上では逆に低下した。 3)常温でNdイオンの発光スペクトルは自然放出に依るもので、狭帯域化は計られていなつかた。これは、反転分布が形成されていないことを示唆した。 次にKNbO3結晶に半導体レーザ(室温867nm)を導いて第二高調波発生による青色レーザ光の発生に関する理論的検討および実験を試み以下の結果を得た。 1)半導体レーザの非点収差の存在により、位相整合条件は従来と異なり、集束ビーム依存性を持つことが分かつた。 2)非点収差により整合波長は、長波長側にシフトし、この場合X-Y結晶面内に同調角度が存在しない。 3)半導体レーザの集束ビーム径100μm、温度12.5℃にて発振波長が863.5nmとなり、KNbO3の温度38.6℃にて位相整合条件が満たされ、青色SHG光が生起されることが確認された。
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