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1994 年度 実績報告書

確率微分方程式の数値解法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06650076
研究機関名古屋大学

研究代表者

三井 斌友  名古屋大学, 大学院・人間情報研究科, 教授 (50027380)

研究分担者 齊藤 善弘  聖徳学園女子短期大学, 講師 (30249213)
キーワード数値解析 / 確率微分方程式 / 離散近似 / 次数 / 安定性 / 数値シミュレーション
研究概要

研究代表者は、研究分担者・斎藤善弘および研究協力者・小守良雄(名古屋大学大学院工学研究科大学院生)とともに研究課題を推進し、今年度にいくつかの成果を挙げることができた。
1.確率微分方程式(SDE)の初期値問題に関して、Wong-Zakai近似が知られている。これは、強いスキームが収束する先として作られたものであるが、Wiener過程の増分を線型近似しているので、常微分方程式の発展形式と扱うことができる。そこでSDEに対するRunge-Kuttaスキームの次数条件の代数的取扱いが、常微分方程式の場合の木解析(rooted tree analysis)と平行にできることに着目し、それを二色木(bicolour rooted tree)として実現した。
2.さらに一般のSDEに対するRunge-Kutta型のスキームでも、弱いスキームを扱えば、木解析は可能であることを明らかにし、二色木と4個のラベルを導入することによって、その次数条件を代数的に求めることを導いて、ROW型公式に対してそれを実際に示した。
3.また、確率微分方程式の数値スキームの安定性に対する基準を明らかにすることができた。すなわち、誤差の平均二乗ノルムが縮小するMS安定性、数値スキームの生成する軌道毎の安定性であるT安定性の概念を提起し、いくつかの具体的スキームに関してその条件を導いた。また、常微分方程式における数値スキームのA安定性に対応する強い安定性に関して、その領域を図式化することで安定性基準を見いだす方法を開発しつつある。
以上の成果は、いずれも邦文・英文論文として発表済みあるいは投稿中である。そして、今年度この研究費補助金によって入手したワークステーション上に、これら成果を組み入れた総合的解析ルーチンを作るべく準備を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 斎藤 善弘, 三井 斌友: "確率微分方程式の数値スキームの誤差における統計的部分" 日本応用数理学会論文誌. 4. 127-139 (1994)

  • [文献書誌] Y.Komori, Y.Saito, T.Mitsui: "Some issues in discrete approximate solution for stochastic differential equations" Computers Math. & Applic.28. 269-278 (1994)

  • [文献書誌] Y.Saito, T.Mitsui: "Stability analysis of numerical schemes for stochastic differential equations" SIAM J. Numer. Anal.(to appear). (1995)

  • [文献書誌] Y.Saito, T.Mitsui: "S-series in the Wong-Zakai approximation for stochastic differential equations" J.of Mathematics(Viet Nam). (to appear). (1995)

  • [文献書誌] 三井 斌友: "微分方程式の数値解法I、岩波講座応用数学[方法3]" 岩波書店, 116 (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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