研究概要 |
研究代表者は,研究分担者・齊藤善弘および研究研究協力者・小守良雄(名古屋大学大学院工学研究科大学院生),同・胡 広大,同・阿部邦美(ともに名古屋大学人間情報学研究科大学院生)とともに研究課題を推進し,研究計画最終年度となる今年度にいくつかの成果を挙げることができた. 1.確率微分方程式の数値解法に関しては,ROW型スキームの構成と実装,数値的安定性の基準の明確化と,T安定性基準の評価について,それぞれ成果があった. 2.陰的Runge-Kutta法を並列計算を意識して組み直したtwo-step Runge-Kutta法を提唱し,その効率のテストを行った. 3.差分微分方程式に対する数値解法の安定性解析を行い,実用的な安定性基準を示すことができた. 4.大規模線型連立系に対する共役勾配法型反復解法の解析をおこない,反復過程の残差ベクトルを,双共役勾配法(Bi-CG)の残差多項式と,それを加速する多項式との積によって生成する積型反復法の収束特性を,実験的に考察した. それぞれの研究結果は,雑誌論文あるいは研究会・学会等において発表している.上の研究主題は今後のさらなる発展が期待されるので,適切な研究計画のもとで継続されることが強く望まれる.特に,解析結果に基づく実装化がまだ十分ではないので,今後の課題として残っている.
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