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1995 年度 実績報告書

金属間化合物粒子強化アルミニウムダイカストの疲労強度と破壊機構

研究課題

研究課題/領域番号 06650081
研究機関岩手大学

研究代表者

片桐 一宗  岩手大学, 工学部, 教授 (90029893)

研究分担者 笠場 孝一  岩手大学, 工学部, 助手 (00271841)
佐藤 正  岩手大学, 工学部, 助教授 (30003859)
キーワード疲労強度 / 疲労き裂進展 / 変動応力 / 中高温 / 金属基複合材料 / ダイカスト / 金属間化合物粒子 / 粒子体積分率
研究概要

室温から300℃までの静機械特性および疲労特性評価とその破壊機構に関する微視的観察から、金属間化合物NiAl、Ni_3Al粒子強化Al合金ダイカストがSi粒子強化材をしのぐ特性を有することを示す以下の結果がえられた。
1.室温では粒子強化によって0.2%耐力が上昇する。温度上昇とともに200℃までは室温と同程度のレベルを維持するが、300℃では大きく低下しマトリックス材と同程度になる。Ni_3Al粒子強化材では粒子体積率の増加にともなって耐力は増加し、とくに10vol%のものでは室温、200℃でSiC粒子強化材より高い0.2%耐力と引張り強さを示す。室温における破面上にはSiCおよびNiAl粒子の割れおよび剥離が見られるが、Ni_3Al粒子のそれはみられない。
2.破壊靱性は粒子添加によって、またその体積分率の増加とともに低下する。温度依存性としては200℃で一旦上昇し、300℃で大きく低下する。NiAl粒子強化材はSiC強化材と比較してやや低いが、300℃では粒子の違いによる影響はみられない。室温から300℃の破面上に粒子剥離がみられ、粒子破壊は300℃ではみられない。
3.NiAl粒子強化材のき裂進展抵抗は2.5vol%の場合、マトリックスおよびSiC粒子強化材と比べて下限界から低速進展域において高く、この体積分率を越えるとポイドの量が増すため低下する。バリス則域およびそれより大きい進展速度域においても2.5vol%NiAl粒子強化材は高いき裂進展抵抗を示すが、それ以外の体積率や、SiC粒子強化材ではマトリックスと同程度のき裂進展抵抗しか示さない。
4.応力上昇および下降の2段2重重複繰り返し応力に対して、NiAl粒子強化材はとくに優れた耐疲労性を示す。
このような金属間化合物粒子強化材における間欠過大応力を伴う変動応力下におけるき裂進展の加速現象およびその微視組織観察による機構の究明については今後の問題として残されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 申 亨燮: "粒子強化アルミ合金ダイカストの室温・高温疲労強度特性" 日本機械学会論文集(A編). 61. 2572-2577 (1995)

  • [文献書誌] Hyung-Seop SHIN: "Fracture Toughness of Particulate Reinforced Die-Cast Aluminium Alloy Composites." Proc.Asian Pacific Conference for Fracture and Strength ‘96,to be held at Kyungju.(掲載予定).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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