研究課題/領域番号 |
06650100
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
東郷 敬一郎 静岡大学, 工学部, 助教授 (10155492)
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研究分担者 |
荒木 弘安 静岡大学, 工学部, 助手 (60115433)
石井 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (90022235)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 傾斜機能材料 / 破壊力学 / き裂挙動 / 粒子分散複合材料 / 有限要素法 / き裂先端特異場 / 破壊靭性 / ガラス粒子分散ナイロン66 |
研究概要 |
傾斜機能材料中のき裂挙動を明らかにするためには、傾斜材中のき裂の解析と実際の破壊現象に関する実験を総合的に行う必要がある。本研究では、破壊力学パラメータおよびき裂先端特異場に及ぼす傾斜の影響を明らかにする解析、粒子分散複合材料の材料組成と機械的特性の関係を明らかにする実験および傾斜材料の曲げ強度、破壊靭性に関する実験を行った。 1.解析的研究においては、粒子分散複合材料の増分型損傷理論に基づく有限要素法により、傾斜機能材料中のき裂の弾性から弾塑性にわたる解析を行い、応力拡大係数K値、塑性域、応力・ひずみ場に及ぼす傾斜の影響について調べた。その結果、応力拡大係数に及ぼす傾斜の影響は顕著であり、通常の破壊力学試験片のK値の式は適用できないこと、同一K値のき裂先端の塑性域寸法は傾斜の影響を受けるが、き裂先端特異場はき裂先端の材料特性を用いて非傾斜材と同様に記述されることを明らかにした。 2.非傾斜複合材料として、熱可塑性樹脂ナイロン66にガラス粒子を分散させた複合材料を用いて、機械的性質および破壊靭性について実験を行い、ヤング率、引張強、破断延性および破壊靭性と粒子体積率の関係を明らかにした。 3.ナイロン66にガラス粒子を分散させた粒子体積率の異なる4種類の複合材料を高温接合することにより、粒子体積率0%から30%まで階段状に傾斜する材料を作製し、傾斜材料について曲げ破壊試験と破壊靭性試験を行った。その結果、傾斜を考慮した解析結果を用いて強度評価を行うべきであること、および傾斜材の強度評価に際しては、傾斜により均質材の場合と破壊過程が変わるため、注意を要することを明らかにした。
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