平成6年度において2次元領域を対象とした線形弾性連続体の平均コンプライアンス最小化問題、固有振動数最大化問題、流れ場の散逸エネルギー最小化問題およびポテンシャル流れ場流速規定問題に対して得られた基礎検証結果を踏まえて、平成7年度は以下の成果を得た。 1.線形弾性連続体の平均コンプライアンス最小化問題および固有振動数最大化問題を3次元領域を対象として解析できるシステムを汎用の有限要素法解析プログラムを利用して構築した。そのシステムを用いて、3次元領域を対象とした平均コンプライアンス最小化問題および固有振動数最大化問題を解析し、平均コンプライアンスは単調に減少し、固有振動数は単調に増加し、収束する結果を得た。 2.ポテンシャル流れ場の規定領域におけるポテンシャルあるいは自乗流速(圧力)が規定した分布になるように領域形状を決定する領域同定問題を解析できるシステムを汎用の有限要素法解析プログラムを利用して構築した。そのシステムを用いて、2次元伝熱体の内部に温度規定領域を設けた外形状同定問題を解析し、良好な同定結果を得た。また、理想流体の流れ場に置かれたNACA0012型翼の表面近傍圧力分布を規定して異なる形状からNACA0012型翼の形状が同定される結果を得た。3次元問題も3次元要素でモデルを作成することにより解析可能である。
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