研究概要 |
一方向CFRP積層板のDCB試験片を用いて,ΔK一定条件下で一定温度および荷重とともに温度が変化する場合(熱疲労)の疲労き裂伝ぱ試験を調べ,以下の結論を得た. (1)大気中においては,き裂伝ぱ速度は試験温度に依存せず,また,一定温度試験の結果と熱疲労試験の結果も相違が見られなかった. (2)水中においては,試験温度が高いほどき裂伝ぱ速度が小さかった.また,最大荷重の時最大温度となるin-phase熱疲労試験の結果は,最大温度と等しい温度の一定温度試験の結果と一致していた. さらに,疲労き裂伝ぱ挙動に及ぼすき裂先端繊維配向角および試験片板幅の影響を調べ,以下の結論を得た. (1)板幅20mmの試験片の場合,き裂先端繊維配向角が小さいほどき裂伝ぱ速度が大きかった.また,板幅10mmおよび5mmの場合も,一方向材のき裂伝ぱ速度は最も速かったが,板幅10mmの場合,繊維配向角30°以上では繊維配向角の影響は認められず,板幅5mmの場合は,繊維配向角の大きい方がき裂伝ぱ速度が大きかった. (2)一方向材の場合,板幅が大きいほどき裂伝ぱ速度が大きかったが,繊維配向角の増加とともにその関係は変化して行き,繊維配向角が90°の場合,板幅の小さい方がき裂伝ぱ速度が大きくなった.
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