研究概要 |
本年度の研究計画で取り上げた「熱応力緩和のための不均質材料の材料組成最適化問題」については、以下の成果を得ることができた. 1.平板の一次元問題を解析モデルとした。材料組成最適化問題については、数値計算が終了し,学術論文として,投稿のための準備中である.得られた知見としては.不均質材料の物性値に関する温度依存性を考慮した場合,材料組成に関する最適値(最適体積含有率)が,温度依存性を考慮しない場合と比べ,大きく変化することが判った.従って,不均質材料の材料設計においては、物性値の温度依存性を考慮することが不可欠であるといえる. 2.円筒殻における一次元温度場を解析モデルとした,熱応力緩和のための材料組成最適化問題については,現在,理論解析が終了し,数値計算を遂行中である.なお,得られた結果については,1995.3に口頭発表の予定である. 3.アングルプライ積層板に対する熱応力緩和のための最適化問題(最適積層配向角の決定)についても,現在数値計算を遂行中である.また,この様な一方向繊維強化材料における,熱応力緩和のための最適繊維含有率の決定問題についても,数値計算が終了し,口頭発表の予定である. さらに,次年度の研究計画として取り上げている「熱負荷を受ける不均質材料でのき裂の問題(応力拡大係数評価)」についても,一部,研究に着手した.解析モデルとして,円形き裂を有する不均質無限体を取り上げ定常温度場での応力拡大係数を数値計算により求めることができた.1995.3に口頭発表の予定である.
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