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1994 年度 実績報告書

レーザー顕微鏡式その場観察システムの改良と金属間化合物の微視破壊現象観察

研究課題

研究課題/領域番号 06650121
研究機関豊田工業大学

研究代表者

上野 明  豊田工業大学, 工学部, 助教授 (30160188)

研究分担者 岸本 秀弘  豊田工業大学, 工学部, 教授 (10148348)
キーワードレーザー顕微鏡 / その場観察システム / 金属間化合物 / チタンアルミ / 微視破壊現象 / 破壊力学 / き裂発生 / き裂成長
研究概要

平成6年の研究実績および進捗状況は,以下に示す通りである。
◎金属間化合物TiAlを用いて,各種予備試験(室温疲労き裂進展試験・中高温疲労き裂進展試験・応力腐食割れ試験・3次元破面解析)を行い,以下に示す知見を得た。
(1)TiAlの室温における疲労挙動は,金属疲労と応力腐食割れの相互作用によりもたらされる。そのため,き裂進展挙動は,通常の金属材料とセラミックス材料の中間的な特性を示す。
(2)室温における疲労き裂の成長経路は,微視組織の影響を受ける。特にラメラ組織を有する材料では,その傾向が著しい。また,破面の粗さも大きく,き裂開閉口は,破面粗さ誘起型である。
(3)中高温(400℃〜600℃)域では延性も多少現れるため,疲労き裂進展挙動も一般的な金属材料の挙動に近くなる。また,延性が回復した証拠になる『ストライエーション』模様が,破面で観察された。
(4)TiAlは,室温大気中でも応力腐食割れを起こす。水中ではこの現象がさらに加速される。応力腐食割れは,主にγ-TiAl結晶粒の内部で生じる。
『改良型その場観察システム』用の小型横置電気油圧サーボ試験機(下図参照)の設計を完了し,製作にとりかかった。
◎予備試験結果を踏まえ,『改良型その場観察システム』を用いて行う,TiAlの微視破壊挙動の観察すべき主たる項目を以下のように決めた。
(1)TiAlは室温での延性が乏しい。そのため、TiAl構造物の安全性を考える上で,長いき裂の挙動ではなく,微小き裂の発生・成長挙動を詳細に観察する。
(2)上記微小き裂の挙動と,TiAlの微視組織(ラメラ組織,γ-TiAl組織)との関連を観察し,強度向上に適した微視構造の指標を模索する。15EA11:(3)微小き裂の成長挙動を支配する力学パラメータを検討する上で必要な,き裂開閉口挙動も測定する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 上野,明: "レーザー顕微鏡による表面観察I(素材試験への応用)" 材料科学. 31. 62-69 (1994)

  • [文献書誌] 上野 明,岸本秀弘他1名: "金属間化合物TiAlの疲労き裂進展特性" 日本材料学会第22回疲労シンポジウム講演論文集. 181-184 (1994)

  • [文献書誌] 上野 明,岸本秀弘他1名: "金属間化合物TiAlの応力腐食割れ" 日本機械学会東海支部第44期総会講演会講演論文集. No.953-1. 118-119 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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