研究課題/領域番号 |
06650124
|
研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
田牧 純一 北見工業大学, 工学部, 助教授 (30005516)
|
研究分担者 |
久保 明彦 北見工業大学, 工学部, 助手 (40178025)
北川 武揚 北見工業大学, 工学部, 教授 (40003165)
|
キーワード | cBN電着クイル / YAGレーザ / ツル-イング / 砥粒突出し量 / 切れ刃密度 |
研究概要 |
今年度の研究課題として、YAGレーザをcBN砥粒に照射することにより得られる物理化学的作用、その結果として生成される切れ刃トポグラフィの解明に主眼をおいた。その評価手段として、ワイヤ巻掛け駆動方式により超低速回転するクイルの作業面を各種触針で走査することによってトポグラフィックパラメータ(クイルプロフィル、切れ刃密度、砥粒突出し量)を測定するシステムを開発した。それと併行して切れ刃のSEM観察を行った。また、実験結果を比較論的に論ずるために、cBNクイルの他にダイヤモンドクイルについても同様の実験を行った。これまで得られた知見は以下のとおりである。 (1)レーザ照射に伴うクイル軸の温度上昇は、発振方式(CW、Qスイッチ)の違いに関わりなく同一の挙動を示す。レーザとクイルの位置関係に関して接線照射方式を採用した場合、上昇温度は高々100℃であり、スピンドル回転による冷却効果を勘案するならばスピンドルに悪影響を及ぼす要因とはなり得ない。 (2)クイルに対するレーザの近接量に関して、トポグラフィ調整効果の発現する位置を明らかにすることができた。この位置は、レーザ出力およびビーム内のパワー分布によって決定される。 (3)Qスイッチレーザを照射したときの砥粒の熱損傷挙動について、cBN砥粒の場合、熱衝撃による劈開破砕が主たるパターンとなることがわかった。cBN砥粒の破砕面は劈開し易い結晶面の存在する方向によて決定されるため、レーザと干渉した部分がすべて削除されるわけではない。一方、ダイヤモンド砥粒の場合には、高温加熱による酸化が主体となるため、砥粒先端部に平坦面が形成される。したがって、ダイヤモンドクイルの場合には、レーザと干渉した部分がすべて除去され、マイクロツル-イング効果を得ることができる。
|