研究概要 |
(1)高速・高剛性送り駆動系の試作と性能評価 20mmのハイリードボールねじと3,000rpmの低イナーシヤの高速サーボモータからなる送り駆動系を製作し,その性能の評価を行った。この構造によって60m/minの最高速度と1.0Gの加速度が得られ,サーボパラメータチューニングを施すことによって,サーボ剛性もあまり低下することなく,変種変量生産用の工作機械として十分使用可能であることが確認された。ただし,高速運転を長時間続けると,ボールねじの発熱によって位置決め精度が低下することも確認されたので,何らかの対策が必要である。 (2)高速・高剛性送り系を用いた切削性能試験 (1)で製作された送り駆動系から構成されたマシニングセンタを用いて変種変量生産の主な対象であるアルミニウム合金や鋳鉄製のエンジン部品をフライス加工,エンドミル加工およびドリル加工した。その結果フライス加工,エンドミル加工においては容易に従来の8〜20倍程度の加工能率が得られ,トランスファーラインに十分匹敵する性能を有していることが分った。ただ,鋳鉄のドリル加工においては工具寿命の制約のため従来の4〜5倍程度の加工能率しかえられず,ドリルのコーティングに一層の改良が必要であることが分った。
|