研究概要 |
生産設備設計,生産工程設計および生産スケジューリング機能を統合化することができる自律分散型生産システムの基本アーキテクチャを明らかにするとともに,そのシミュレータを開発することを目的として研究を行った.平成6年度における主要な研究成果をまとめると,以下のようになる. 1.自律分散型生産システムの基本アーキテクチャの検討 自律分散型生産システムの構成要素における自律機能を、生産設備および生産対象製品の意志決定機能,通信機能および制御機能の観点から分析,整理した.この結果,工作機械,ロボット,自動搬送装置,自動倉庫などの生産設備や生産対象製品の間の協調動作が,生産システムの設計,運用および管理の観点から,極めて重要であることが明確になった。 2.自律型構成要素の意志決定機能の分析 生産プロセスのスケジューリングおよび制御の観点から、工作機械,ロボット,自動搬送装置,自動倉庫および生産対象製品の意志決定機能の分析と整理を行った.また,自律分散型生産プロセスのシミュレーションを行うために、各構成要素のモデルが持つべき情報と,これらの構成要素間の情報交換プロセスを整理した.この結果,協調的な意志決定を行うための,基本プロセスを確立することができた. 3.自律分散型生産システムシミュレータの開発 1および2の分析結果に基づいて,生産システムシミュレータの開発を試みた,ここでは,オプジェクト指向の考え方を用いて生産設備および生産対象製品を表現するオブジェクトを作製し.これらのオブジェクトに意志決定機能と情報交換機能,および状態データを与えることでシミュレーションモデルを作成した.
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