研究概要 |
本研究では,生産設備設計,生産工程設計および生産スケジューリング機能を統合化することができる自律分散型の生産システムの基本アーキテクチャを明らかにするとともに,そのシミュレータを開発することを目的として研究を行った.平成7年度における主要な研究成果をまとめると以下のようになる. 1.バッチ生産における自律分散型生産システムシミュレータの開発 機械部品の加工と製品の組立を行う自律分散型生産システムのシミュレータを開発した.この生産システムは,機械加工システム,組立システムおよび搬送・貯蔵システムからなる.この生産システムを,オブジェクト指向モデルを用いてモデル化し,シミュレーションシステムを開発した. 2.ライン生産における自律分散型生産システムシミュレータの開発 航空機の複合材料部品の生産を行う自律分散型生産システムのシミュレータを開発した.このシステムは,複合部品の加工,成形,検査プロセスを,ライン型の生産システムで実行するものである.ここでは,この生産ラインを自律型の生産設備で構成するものとしてモデル化し,シミュレーションシステムを作成した. 3.リアルタイムスケジューリングへの適用 上記1.および2.のモデルに基づいて,自律型の生産設備が独自のスケジューリング基準にしたがってリアルタイムに自身のスケジュールを決定するシステムを提案した.また,このスケジューリングシステムによる運用方法の有効性をシミュレーションにより評価した.
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