昨年度は、センサなしで3次元造形を行うと積層が進むにつれ不都合が生じ、複雑な形状を作成しようとすると、センサによる積層条件の修正が必要であることが明らかとなった。本年度は、まず3次元造形中の積層状態を常時監視し、最適にロボットを制御するためのリアルタイム画像処理装置の製作と、その画像処理結果にもとずいて3次元計算とロボット制御を行うシステムを製作した。画像処理は、最新のプログラマブルな論理素子(Field Programmable Gate Array)と市販の画像ボードを組み合わせて構成され、当初予定の毎秒60回の画像処理を実現することができた。さらに、積層途中の3次元形状を計測する目的で、板状のレーザを照射しその光切断面を本画像処理装置で計測する3次元センサを実現し、目的とする3次元造形物を積層させる板を複雑に動かす産業ロボットに組み込んだ。また、このセンサで積層物を検出し、溶接ト-チが積層物に一定距離だけ離れて移動するように積層板を制御するアルリズムを製作し、動作実験を繰り返した。その結果、極めて良好にト-チと積層板の相対的な動きが実現できた。この装置を用いて、これまで積層実験を繰り返している。現状では、肉圧1.2mmで高さ300mmの製品は製作可能である。現在も、より良い積層条件を求めて実験中である。
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