研究概要 |
マニピュレーションに関しては,食品包装用ラップフィルムを用いて手製で寸法約20μmの近似的な三角柱などを製作し,回転駆動を試みた.その結果,回転させることができ,回転速度はレーザパワーとほぼ比例した.また,ラテックス球(2μm)をクラスター状に捕捉すると,クラスター状のままで全体を回転させることができた.この現象は,ラテックス球がクラスター状に集合したものに対して生じたものであるが,このクラスター形状を検討することにより,3次元的な駆動も可能となるかもしれない.この点については,さらに検討を加える予定である. 造形に関しては,去年に引き続いて,レーザ援用電鋳についてNiメッキ液を利用した実験を行った.微小なスポットを形成することができたので,今後は形状の製作を行う.また,YAGレーザ溶接による微小物体の組立の基礎実験を行った.三次元造形の一つの方法として,各部品を別々に製作し,接合により組み立てるのが有効である.特に,微小で,かつ,複雑な形状の部品ほど接合による組立は重要となる.このための基礎実験として,直径100μmのステンレス鋼ワイヤとアルミニウムワイヤについての接合の可能性,最適条件を求めた. 加工に関しては,機械工作が困難な材料である鋳物についての除去,及び溶接の実験を行った.鋳物製品製造業は作業環境が劣悪であり,レーザ加工を適用できればそのメリットは大きい.このための基礎データを得ることができた.
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