研究概要 |
電解銅粉末および水噴霧銅粉末の異速圧延を精密に制御された粉末の供給量の下で行った.異速比は1.00から1.50まで,ロール間隙は0.05から0.25mmまで変化させた.そして,異速比,ロール間隙,粉末の供給量と成形速度が圧延荷重,板厚および相対密度におよぼす影響を検討した.得られた主な結果は次のようである. 1)圧延荷重,板厚および相対密度は,各ロール間隙において異速比が大きくなるに従って小さくなった.圧延荷重と相対密度は,各異速比においてロール間隙が小さくなるに従い大きくなった. 2)圧延荷重が同一であれば等速圧延によって成形される板材の相対密度に比較して,異速圧延によって成形される板材の相対密度は大きくなった.相対密度の増加率は,電解銅粉末の場合に,異速比が1.33のとき最大となり,等速圧延の相対密度に比べて約10%大きくなった. 3)板材の相対密度は成形速度に依存しなかった。 4)同じ相対密度の圧粉体を成形する圧延荷重は,異速比が大きくなるに従い小さくなった. 4)異速比が相対密度に及ぼす影響は,電解銅粉末より水噴霧銅粉末を用いた場合に顕著であった. また,一般性のある速度場を提案し,上界法によって圧密挙動を解析できた.
|