研究概要 |
超高速ビトリファイド研削砥石の設計指針を得ることを目的に,平成6年度において,以下の研究を実施した. (1)砥石作用面の切れ刃構造のフラクタル解析 切削機能を発現する砥石作用面の切れ刃構造は異方性と不均質性のゆえに,従来定量的評価が困難視されてきたが,本研究により,それが非整数次元で特徴づけられるフラクタルであることが認められた.そして,目なおしされた切れ刃が約1.6次元の極めて複雑な形状をしていること,それが目つぶれや目こぼれなどの損耗により,約1.3次元のやや単純化された形状になり,砥石の切削性能低下をもたらす構造的特徴が定量的に把握することができた. (2)切れ刃構造のフラクタル・イメージの生成 計算機援用による砥石の設計過程において,切れ刃構造のビジュアル表現は重要なツールとなる.そこで,切れ刃構造のフラクタル性を踏まえ,フラクショナル・ブラウン運動を適用したフラクタル・イメージの作成を試みた.その結果,実際の切れ刃形状,切れ刃面積率及び切れ刃の不規則分布の砥石半径方向深さ依存性を満たす切れ刃構造のイメージが生成可能であることが明らかになった.
|