研究概要 |
単石ドレッサならびに多石ドレッサでツル-イング後のビトリファイドボンドWA砥石に合成樹脂を研磨剤としたスラリー(合成樹脂研磨剤と研削液の混合液)を低圧力(約0.32MPa)の圧縮空気により噴射するブラストコンディショニングを適用し、砥粒切れ刃の形成状態を顕微鏡観察するとともに、砥粒切れ刃の分布状態を測定して最適ブラスト条件を求めた。その後、焼入れ鋼の平面プランジ研削試験を実施して、研削抵抗、研削動力ならびに仕上げ面粗さを測定して、ブラストコンディショニングが研削性能に及ぼす影響について試験した。得られた結果は以下の通りである。 (1)多石ドレッサでツル-イング後、ブラストコンディショニングを5秒間適用すると最良の砥粒切れ刃分布が形成できる。 (2)ブラストコンディショニングを適用して、最良の砥粒切れ刃分布状態で研削試験を実施したにもかかわらず、仕上げ面粗さが悪くなるという意外な結果が得られた。 (3)(2)の原因は、ブラストコンディショニングがWA砥粒を破砕して、一個の砥粒内に複数の微小切れ刃を形成すると同時に、ビトリファイド結合剤の一部を除去するため、砥石作業面の砥粒保持力が弱くなり、研削中に砥粒が脱落する異常現象が発生するためであることが確認された。 今後の対策として、今回試験した結合度Hより結合度の強い、結合度I,J,KのWA砥石について同様の研削試験を実施し、ブラストコンディショニングにより研削性能が向上できることを確認していく予定である。
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