研究概要 |
平成6年度の研究目的は,セラミックスの中でも,相対的に高硬度・低靱性である炭化けい素と,相対的に低硬度・高靱性であるジルコニアの2種類のセラミックスの摩耗実験を行い,微視的摩耗形態の種類とそれらの機構を明らかにすることにある. 本研究で得られた新しい知見は,以下の通りである. 1.セラミックスの微視的摩耗形態は,見かけの接触域での脆性破壊に起因する激しい摩耗である“flake formation",真実接触域の脆性破壊に起因する摩耗である“powder formation",極めてマイルドな摩耗である“ploughing"の3形態に文類することができる. 2.flake formationの発生条件は,新しい無次元数Sc(=Pmax(Rmax)^<1/2>/K_<IC>)を用いて表わすことができる。ここで,Pmaxはヘルツの最大接触圧力,Rmaxは最大あらさ,K_<IC>は破壊靱性である. 3.powder formationの発生条件は,新しい無次元数SC^*(=Hv(Rmax)^<1/2>/K_<IC>)を用いて表わすことができる.ここで,Hvはビッカース硬さ,Rmaxは最大あらさ,K_<IC>は破壊靱性である.
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