1.血液潤滑の基礎式の導出 血液の非ニュートン粘性をCassonの式によって近似し、流体潤滑の基礎流量式の導入を昨年度に引き続いて試みた。その結果、当初の目的である無限溝数理論への組み込みまでは出来なかったが、軸受けすきまを流れる質量流量と圧力勾配の関係を式および図に表すことが出来た。 2.基本形状動圧グループ軸受についての検討 昨年度に決定した血液循環動圧グルーブの基本形状は、軸受外部の血液を軸受内部にできるだけ取り込まないかつ軸受内部で溶血した血液を外部に漏らさないように工夫した形状になっている。本年度はこの基本形状の軸受に対して、有限溝本数とした精密な解析によって軸端部における局所的な血液の流入量・漏れ量について調べた。その結果、昨年度の無限溝本数を仮定した近似理論による結果とほぼ同様な結果となり、無限溝本数理論で十分であることが分かった。 3.実験装置の設計 平成6年度〜平成7年度の2年間血液潤滑動圧グルーブ軸受けについて理論および数値解析の面から研究を行ってきたが、その前提条件として血液完全に容血しニュートン流体として挙動するとしている。このことを確認するために本研究終了後に実験を計画しており、その実験装置の設計を本研究で行い、スラスト軸受の軸終端に円周溝を切った型について漏れ流量を最小にする溝角、溝深さ、等の最適諸元を決定した。
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