研究概要 |
1.これまでの干渉計において,物体光の光路途中に配置していた撮影レンズをCCDイメージセンサ直前に移設し,すなわち,マツハツエンダー形干渉計に準じた光学系を構成することにより,また,撮影レンズの焦点距離を変更することにより,被測定対象領域の拡大がはかられ,従来の方式ではピッチ円筒上ねじれ角β_0=10°のはすば歯車(歯幅b=20mm)の場合でもケラレを生じていたものが,ねじれ角β_0=20°のはすば歯車歯面の場合でも,ほぼ測定対象領域全体に対する干渉縞像を撮影することが可能となった. 2.平面試験片を用いて測定装置における各光学要素のセッティング誤差を求める試みを行ったが,一意的な解を算出することの不可能なことが判明した.しかし,実際に用いた干渉計において,相対的に大きなセッティング誤差をもつ光学要素として光源からのレーザビームの方向誤差が考えられ,撮影した干渉縞像の輪郭形状を検討することにより,そのビームの方向が所定のものになっていないことが明かとなり,その設定誤差をほぼ定量的に求めることが可能となった. 3.種々の形状誤差をもつ平歯車歯面を測定対象として,それらの歯面形状誤差を干渉法により求め,その測定精度は触針法による結果に匹敵するか,あるいは,それ以上のものであることを確認した.
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