| 研究概要 |
制御対象として油圧モーターで駆動される2自由度マニピュレーターと,強い非常線形特性をもった流体制御要素として,4個のステッピングモータで駆動されるブリッジバルブの実験装置を製作した.対象とした非線形流体制御系の基本的な特性を明らかにするため,系の数学モデルに基づくコンピューターシミュレーションを行った.系のパラメータと非線形特性の関係を明らかにするとともに,非線形制御理論の適用の効果についても検討を行った.また、本研究で対象とする流体制御システムにおいては,従来用いられてきた電磁弁の構造は必ずしも最適なものとはならないので,流体制御要素内部の流れ場の3次元・非定常流動数値解析を行う必要がある.本年度は,基礎的検討として,従来より用いられているスプール式のサーボ弁内の非定常数値解析を行って,その動特性を明らかにした.さらに油圧マニピュレータの制御実験を行って,理論的検討結果の妥当性を検証した.また,上記の油圧制御系は,従来困難であったマニピュレータのコンプライアンスの制御が構造上容易に行える特徴を持つ.来年度は,この点に関しても検討を行う予定である.以上については,主に早瀬が担当した.本研究で対象とする流体制御系の制御性能に大きな影響を及ぼす油圧系特有の非線形振動の問題に関しては主に林が担当し,油圧計に発生するカオス振動に関する数値解析を行った.また,飯村は,力制御において本質的に重要な非定常圧力の計測に関わる問題と固体摩擦が制御性能に与える影響について,数値シミュレーションにより検討を行った.
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