研究概要 |
単段遠心ポンプを供試体として内部の非定常圧力分布を測定した。得られた変動波形を解析し,動翼と静翼の時間的,空間的な干渉によって発生する圧力波の高調波成分が回転圧力場を生起する直径節成分に形を変えて,これらが合成されて回転圧力場が形成されることがわかった。 今年度は,先ず回転圧力場解析ソフトの開発を行い,これを用いて複数の動翼と複数の静翼が相互に干渉する場合について実験と解析を試みた。この解析ソフトはそのまま,基準変動圧力場の合成として解析的に得られる回転圧力場の計算に使った。 主な実施事項は以下に示すようなデータの収録および解析計算プログラムの作成と結果の可視化である。 1.多点圧力データのチャンネル単位の分割,これと羽根車一回転トリガを組み合わせるソフトの作成。 2.同期加算する一波長の波数は1000余周期以上を目的としたソルトの作成。 3.雑音圧縮された波形の離散化と離散フーリエ解析。 4.理論の計算および結果による回転圧力場のアニメーション用ソフトの作成。 データの収録は動翼6枚と静翼5枚,動翼6枚と静翼8枚および動翼6枚と静翼1枚の組み合わせであり,それについて流量は10,12,14および16m^3/hrで測定を行ない,アニメーションは動翼6枚と静翼5枚および動翼6枚と静翼8枚で流量が14,16m^3/hrの場合を示した。 今後更に,残りの収録データを解析計算して,基準変動圧力場1合成をする。これらが評価されれば,基本変動波形のみ観測して,回転圧力場の経時変化が定量的に予測できる。
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