研究概要 |
平成7年度には粗面として、主として粗さ要素が独立した突起物で構成される粗面を対象とした実験を平成6年度に引き続き2種類の粗面について行った。中速風洞の下流に設置した二次元流路(長さ2500mm,440mm,高さ15mm,30mm)の壁面に厚さ0.18mm、幅15mmのシートを張り付けて粗面を構成した。これまでの供試粗面の算術平均粗さRaは67.5,90.0μm(2種類の間隔では同じ値になる)の2種類であるが、さらにRa=44.8を追加した。 実験は空気流を用い、平均流速10m/s-40m/sで行い、流路内の静圧分布、流速分布を測定し、滑面から完全粗面に移行する遷移領域を中心に供試粗面の摩擦特性を明らかにした。得られた主の結果は下記のとうりである。 (1)速度分布と摩擦係数から供試粗面の等価砂粒径Ksを明らかにした。これまで行ってきた鋳物面等の粗面とは異なる傾向を示しKs/Ra=0.2-2.0とかなりし小さい値を示した。 (2)レイノルズ数に対する摩擦係数はいずれの粗面も遷移領域で、ムーデイ線図と同様な傾向を示し、粗さ要素が密に分布する実用の粗面のの摩擦特性とかなり異なる傾向を示した。 (3)Raが同じ値であっても、粗面の形状によって摩擦係数の値が相違し、従来のKsとRaとの関係が成り立たない。摩擦係数の値は粗さ要素のピッチLによって左右される。 流路内の定常流についての理論解析も行った。 平成7年度には二次元粗面を対象とした実験を主として行ったが、今後さらに三次元粗さ要素についても研究を進める予定である。また、理論的には粗さの影響がまだ完全に考慮できないので、今後さらに検討を進める予定である。
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