研究概要 |
内半径a=25mm,曲率半径比R/a=5.0(R:曲率半径)の曲がり管下流に取り付けた円すい弁を往復運動させて開口面積を変えることにより流れに脈動を与え,このときの管内の速度分布,壁面静圧分布および弁前後の差圧を測定した。作動流体として空気を用い,流量変動の周波数を5〜30Hz,弁リフトxを(1.75〜14.32)mm[ウォマスリ-数=36.1〜88.5,ストローハル数=(0.68〜4.06)×10^<-3>]の範囲で変え,時間平均軸レイノルズ数は3×10^4の一定値に保った。流速の測定にはレーザ流速計および熱線流速計を,圧力の測定には半導体圧力変換器を使用し,瞬時の流量は曲がり管上流に設けた直管内の速度分布を積分して求めた。 以上より,つぎの結果が得られた。 (1)曲がり管入口と出口(弁入口)の圧力差に対する流量の位相遅れは周波数の増加とともに増大するが,十分発達した流れに対する値より小さい。 (2)周波数の増大とともに,曲がり内側の領域の軸速度に強い非定常性が現れる。 (3)本実験範囲内(周波数30Hz以下)では,Re(x/2a)^3>3における流量係数は,弁静止時における値とほぼ一致する。Re(x/2a)^3<3においては弁静止時より小さな値が得られた。その原因として,流れの非定常性も考えられるが,この場合の弁開口面積は非常に小さいので実験装置製作精度に基づく開口面積誤差の影響の可能性もありさらに検討が必要である。
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