本研究では、渦核内を伝播する火炎の特性及び渦核が伸張されたり、相互干渉するような流れ場における渦核内の火炎伝播特性を調べ、乱流燃焼を解明するための基礎資料を得ることを目的としている。本年度の研究結果をまとめると以下のようになる。 1.渦の強さ、渦核の大きさ及び渦核が相互作用するような渦輪発生装置を製作した。 2.渦の強さ、渦核の大きさ及び混合気の当量比を変えて、渦核中の火炎伝播特性を測定した。その結果、渦核中の火炎伝播速度は、混合気の不足反応物質のルイス数の効果を受け、同一の火炎温度においてもLe<1.0の火炎伝播速度は、Le>1.0のそれより大きな値となる。 3.Le>1.0の混合気における渦核内を伝播する火炎の消炎は、渦核内の火炎伸張によって決まり、Le<1.0の混合気における消炎は、火炎伸張によるものでない。 4.渦核の干渉するパターンは、実験条件によって異なる。従って、各干渉パターンでの渦核の伸張を定量的に評価し、渦核内での火炎伝播速度との関連を詳細に検討する必要がある。 以上、本年度の研究結果の一部は、第32回燃焼シンポジウムで発表し、また、平成7年7月にサンフランシスコで開催される8th International Symposium on Transport Phenomena in Combustionにおいて発表予定である。
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