研究概要 |
非定常噴流の,噴流軸を含む断面あるいは噴流軸に垂直な断面にレーザシートを通過させて噴流の瞬間形状を撮影するとともに,周囲空気中に粒子を浮遊させておき,あるシャッター時間だけCCDカメラを開けることにより,周囲空気の動きを可視化することができた.また,この流跡を解析することにより,いつ,どこから,どのように,どの程度,噴流への周囲空気導入があるかが概略的ではあるが把握することができた.噴流出口で強制的に点火させて拡散火炎を形成せしめた場合には,非燃焼噴流の場合と比較して,全体としての空気取り込み量はほぼ同じであったが,単位表面積あたりの空気導入率は小さく,時間の経過とともに減少する.なお,噴射開始後,やや時間をおいてから点火すると,点火までによく混合した混合気が急激な熱発生を伴った燃焼をすることにより周囲空気の取り込みが促進される.噴流が壁面に衝突すると,乱流混合が促進され,燃焼可能な混合気の形成速度が増加するといわれているが,その詳細については未だ不明な点が多い.そこで,壁面に衝突する非定常噴流について同様の手法で空気導入を調べた.衝突噴流の場合の周囲空気流入量は自由噴流の場合と比較すると,衝突前および直後は同程度で,その後、しばらくは多く,さらに時間が経過すると同程度になる.また,噴流先端部付近の巻き上げ部分からの周囲空気流入量がかなり多い.噴流は,衝突後,ほぼ軸対称的に広がり,先端部付近の巻き上げ部分は壁面から離れるにつれて,比較的規則的な塊となる場合が多く見られる,などの結論が得られた.
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