本研究の主要な目的は、特色である、伝熱面上の粒子の挙動と非定常局所熱伝達率とを、同時に同じ点で高い時空間分解能で測定することについては、所期の目的を満足する実験装置の開発が、ほぼ計画通り進行し、流動粒子に平均粒子径がそれぞれ0.42mmと1mmのガラスビーズを用いた2種類の実験を行った。具体的には、 (1)当初計画した非定常局所熱伝達率測定の周波数応答性(20〜30Hz)を、伝熱管の材質を変え極細線熱電対の絶縁等を工夫することによって、周波数応答性を40〜50Hzに改善することができた。 (2)光ファイバーを用いた粒子挙動(接触粒子の容積分率と速度)の測定については、主要購入備品である光電変換器を用いることによってより信頼性の高い測定が可能となった。伝熱面に接触する粒子の容積分率については0.42mm粒子、粒子速度については1mm粒子の方がより精確な測定が可能であることがわかった。特に粒子径が大きい場合については、容積分率の測定には更に工夫が必要であることがわかった。これは今後の課題である。 (3)これらの他に、静電気による粒子の付着防止のため加湿する場合、湿度を高くし過ぎると流動状態が変化し熱伝達率が低下する事を見い出した。このため湿度を常に監視し一定に保つことが出来るように加湿装置を改良した。 実測値の解析から得られた主要な結果は、特に0.42mm径粒子では、非定常局所熱伝達率が接触粒子の容積分率と密接に関係していることを見い出したことである。これらの成果を基に、研究発表の欄に記載の講演会及び論文として公表(又は公表が決定)した。
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