本年度は、既存のミニュチュア循環流動層システムにおいて可視化可能なようにかつ測定センサーの挿入が可能なように改造し、流動状態の観察を行った。循環流動状態を確認し、パターン化分類し、さらに実験粒子クラスターの挙動を可視化観察した。 1.光プローブセンサーによる充填粒子の流動状態、流速等を計るとともに、流路断面に、白金細線をはり、抵抗温度計として内部温度を測り、流動状態、クラスターの有無でどのように熱伝達が変化するのかを定量的に確認した。 2.高応答性の圧力ピックアップを購入して圧力分布、変動など非定常粒子挙動に対応した信号が得られるようになった。 3.また高速ビデオシステムによる可視化画像解析(ビデオ信号の取込、加工、処理)を行い、その結果、極めて詳細なメカニズム解明ができる本研究に適切なデータ処理、解析システムの構築がなされた。 当初の目的である、循環流動槽内の粒子流れパターン、粒子クラスター(塊)の形状はほぼ得られたものと思われる。短期間の成果ではあるが、研究成果が国際会議等で公表できたことは、かなり評価できるものと思われる。学術的な問題点として、粒子クラスターの熱伝達への定量的寄与度がいかほどなのか分離して評価できる実験ないし理論的手法を考える必要がある。さらに粒子クラスターのランダムな挙動を規定する何らかのパラメーターが必要である。さらにデータの蓄積がなされれば、まだまだ新たな知見が得られるものと期待される。
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