製作した実験装置の概要 伝熱面 諸元は以下の通りである。[寸法]加熱部直径55mm、厚さ3mm、[材質]サフィアガラス、[姿勢]水平上向き、[加熱方式]ITO膜の直接通電、裏面加熱、最大許容熱流速3×10^5W、温度測定センサー図1にセンサーの配列を示す。[寸法]2×2mm、厚さ0.1μm、[材質]白金、[原理]抵抗温度計式、[製作法]基板に蒸着後エッチング、[精度]±0.5℃、薄液膜厚さ測定センサー[形状・寸法]幅0.2mm円弧状電極、厚さ0.1μm、[材質]白金、[原理]円弧状電極間の液体電気抵抗値より膜厚を計算、[製作法]基板に蒸着後エッチング、[精度]±10%沸騰容器[寸法・姿勢]内径120mm、長さ300mm、垂直円筒、[材質]ポリカーボネイト、[圧力調整]窒素加圧金属ベローズによる、[温度調整]外部補助ヒ-タによる、実験条件・方法、[試験液体]蒸留水、[圧力]0.1MPa、[温度]飽和温度 実験結果1)水の0.1MPaでは大気泡が周期的に離脱するが、熱流束によらず伝熱面表面温度分布は離脱の影響を受けない。2)熱伝達に及ぼすgレベルの影響はほとんど認められない。3)μg下においても1g下と同様にほぼα∝q^<0.8>の関係がある。4)発泡点数はgレベルによってほとんど変化しない。5)μg下の高熱流束では大気泡底部の薄液膜中で激しく沸騰を行っており、気泡は液膜表面上で大きく成長することはなく、はじけて大気泡内面に飛散する。6)薄液膜の定常熱伝導では付与熱流束の一部のみしか伝達できず、少なくともμg下の比較的高熱流束では、大気泡底部の液膜蒸発のみが主要な熱伝達機構とはなり得ない。7)μg特有の大気泡はいわゆる合体二次気泡が付着したままで成長した結果である。8)μg下で孤立泡が大きくなったり、大気泡底部の液膜において水位が極端に低下して気泡が逆に小さくなっても、熱伝達に影響を及ぼさない。9)μg下で観察される大気泡の表面には無数のしわがあり、1gの減圧下で観察される滑らかな大気泡とは対照的である。
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