研究課題/領域番号 |
06650263
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢野 利明 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60002052)
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研究分担者 |
鳥居 修一 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30180201)
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キーワード | リモートセンシング / 都市の熱環境 / 地表面温度 / LANDSAT-5 / TM / NOA-11 / AVHRR / 大気補正 / 地表面の輻射率 / 画像処理 |
研究概要 |
都市の熱環境を解析するために必要な地表面の熱的情報を得るために、広域性と高い分解能を有する人工衛星データを用いて、都市の地表面温度を算出する方法を検討した結果、以下のような成果を得ることができた。 1.LANDSAT-5/TMセンサーの熱赤外領域である(6)バンド(10.4-12.5μm)データを用いて、放射輝度と絶対温度との関係式から、鹿児島市の地表面の温度分布図を作成した。LANDSATデータからは分解能のよい詳細な温度分布が得られた。しかし、得られた鹿児島湾内の海面温度は、実測結果と比べると、4〜6℃程度高い値となっており、修正する必要がある。 2.土地被覆の違いによる輻射率を考慮した地表面温度を求めるために、衛生データを用いて、複雑な構成要素からなる都市表面の輻射率の算出方法を確立した。LANDSAT-5/TMの可視領域のバンド(1)(0.45〜0.52μm)、バンド(2)(0.52〜0.60μm)およびバンド(3)(0.63〜0.69μm)を用いて、鹿児島市内の土地被覆状況の違いを7つのカテゴリーに分類した土地利用図を作成し、各カテゴリー毎の輻射率を算出した。 3.大気中の水蒸気による放射量の減衰効果を考慮した地表面温度を求めるため、水蒸気による吸収の度合いが異なる大気の窓領域に2チャンネルの熱赤外バンドを有するNOAA-11/AVHRRデータを用いて、大気補正を行った 4.NOAA-11/AVHRRから求めた表面温度は比較的正確な値が得られたが、地上分解能が劣るため、限られた地域の詳細な温度分布を求めるには問題がある。 5.NOAA-11/AVHRRデータから地表面温度を算出するには、衛星天頂角を考慮した大気補正式を用いる必要がある 6.LANDSAT/TMとNOAA/AVHRRデータを併用することにより、限定された小規模地域の温度分布を高い精度で詳細に求めることが可能となった。
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