研究概要 |
本研究では,強地震時における立形構造物の挙動を不規則パラメトリック励振を受ける履歴非線形系の運動方程式によって表現し,確率過程にモデル化した地震動に対する非定常応答解析を行う.さらに,過去十数年の間に目覚ましく発展した,不規則振動理論に基づく信頼性解析手法を応用して確率論的耐震信頼性評価を行い,機械構造物の最適設計に資することを目的としている. 本年度は,加振実験設備を整備して予備実験を行うこと,および,理論解析手法を開発することに重点をおき,以下の成果を得た. (1)重心の高い立形構造物を,パラメトリック励振を受ける履歴非線形系によってモデル化し,地震動を確率過程をみなした場合の運動方程式を導出した. (2)非線形系を対象として,応答の非ガウス性を考慮できる一般的な不規則振動解析法を開発した. (3)(1),(2)に基づき,確率論的応答解析の定式化を行った. (4)非定常応答解析用計算機プログラムを作成し,ワークステーションを用いて数値計算を行った. (5)雑音発生器,フィルタ,加振機,計測用パーソナルコンピュータからなる振動試験システムを試作中し,立形構造物モデルの予備加振実験を開始した.
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