本研究は安価な半導体レーザを用いた光学式アクチュエータによるマイクロマシンの駆動を目指すものである。具体的には、現在実用化されている積層型のピエゾアクチュエータ程度の大きさと性能を持つ光学式バイブレータを開発し、さらに、マイクロマニピュレータおよびマイクログリッパを試作する。 初年度はマイクロバイブレータを以下のように開発した。 1.形状記憶合金、バイアススプリングおよび補強板などをマイクロフォトファブリケーションにより微細パターンに加工し、各パターンを層状に組み立てた。 2.半導体レーダ光をオン・オフ制御して形状記憶合金に照射し、光熱振動を起こさせる。 3.アクチュエータの振幅の負荷特性および周波数特性を測定した。5mm程度の大きさの振動子で100μm程度の変位、1N程度の発生力であった。遮断周波数は1Hzであった。 4.基礎的な研究として、構造を片持ち梁に限定し、ステンレス、バイメタル、形状記憶合金、石英ガラスなどの材料について、その変位、発生力および遮断周波数を測定し、比較・検討を行った。変位・発生力では形状記憶合金、遮断周波数では石英ガラスによるものが最も適している。照射レーザ出力1mW当りの変位が大きいものほど遮断周波数は低い。 5.Z軸周りで二次元変位および回転を示すマイクロマニピュレータとマイクログリッパを設計・製作した。 次年度はマイクロマニピュレータおよびマイクログリッパに関する実験を行う。 試験研究(B)(1)
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