研究課題/領域番号 |
06650296
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
遠山 茂樹 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20143381)
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研究分担者 |
永井 正夫 東京大学, 工学部, 教授 (10111634)
高野 政晴 東京大学, 工学部, 教授 (60010691)
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キーワード | 球面超音波モータ / アクチュエータ / ホール素子 |
研究概要 |
1関節で多自由度駆動できる球面モータを実現するために、2自由度の球面超音波モータを製作しその特性を測定した。出力軸先端の軌跡制御を行い測定装置の分解能の精度(約0.3mm)で軌跡を描くことができた。しかしロータリエンコーダを用いた位置検出機構では機械的なガタが生じ、また小型化が難しいといった問題がある。このため、非接触で小型化が可能な位置センサが必要となる。そこでホール素子と永久磁石を用いた非接触位置検出機構を製作しその特性を測定した。また、まだ実現できていない3自由度駆動方式を検討した。以下にその結果を示す。 (1)ホール素子による位置検出機構 ホール素子による超音波モータの姿勢検出の概念図を図1に示す。出力軸先端に取り付けた磁石が発生する磁界を、ロータ周りに取り付けたホール素子により検出することで超音波モータの姿勢を測定することができる。ホール素子の特性を調べるため1自由度の実験装置を用いた。ホール素子の出力は出力軸の傾きに対して非線形性を伴い、空間磁界による理論解析から得られる出力軸の姿勢と比較を行うと、傾きが大きくなるにつれて誤差が大きくなる。そこで、ニューラルネットワークを用いた学習制御を行うことで約0.8度の誤差で測定可能なことが分かり、ホール素子による位置検出機構の可能性を示すことができた。 (2)3自由度球面超音波モータ 2自由度球面超音波モータは、ロータ球を2対のステ-タで挟み込む構造であった。この対になたステ-タに角度を持たせることで、ロータ周りの自転運動を可能にすることができる。ステ-タの配置を図2に示す。対になったロータを傾けたときに発生する駆動トルクと摩擦トルクを理論計算を行なったところ、水平の位置より約30°傾けることで駆動トルクが摩擦トルクを上回り、自転運動が可能なことが分かった。
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