研究概要 |
購入した走行装置のダイレクトドライブモータによる走行が詳細設計を満たすように調整をした.また,走行装置に搭載するカメラを目視検査のみならず,レーザビーム光のスポット状反射像の取り込みにも利用し,クローラの移動量検出センサ,および走行車の重力方向や管軸方向に対する角度検出センサ,等の各種センサからの情報を総合して管断面図を作成し,これらの図の相関を利用して管全体のレイアウトを作図する能力を有する知能機械システムの構築を目的として,レーザビーム光源をカメラの光軸に垂直な円板上に取り付け,この円板を前記光軸の周りに回転(θa)かせると共に,レーザービーム光が前記光軸を含む面内で前方の任意の方向(θb)に投射されるような円板上のミラー面制御メカニズムの設計と製作を行った. また,逆方向に張り出されるクローラの一方を主,他方を従として制御し,車体と車枠間の捩れ角と偏芯角の情報を使って走行装置を常時管の中央部に位置づける操舵制御を自律的に実現する技術について検討した.さらに,購入した画像情報入力ボードを使いカメラ光軸に対するレーザスポットの存在方向を計算し,レーザビームの照射条件(θa,θb)とを総合して管壁までの距離情報を抽出した.走行装置を前進させてこの様な情報を収集し,パターンマッチングの手法によって画像間に重なりを見つける手続きを軸方向に対して繰り返し行い1枚の管内地図として生成した. 走行車の自立角(走行車の上下方向支柱が管断面とのなす角;前傾を正とし0°を理想とする),捩れ角(走行車の中心軸前後方向が管軸方向と捩れる角;操舵時の制御対象となる),偏芯角(走行車の上下方向支柱が管断面内で管壁面と交わる角;右偏芯を正とし,90°を理想とする),及び平衡角(走行車の上下方向が重力方向となす角)の検出分解能が操舵性能に与える影響について検討し,性能の改善に有効な4倍精度の角度検出センサを構成し,走行車に応用した.
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