研究概要 |
H7年度は,はじめに昆虫の触角のような湾曲形状の触角に対する基礎式を理論的に導出した.その結果,触角形状が湾曲になると,直線形状の場合と異なり,接触点での摩擦が検出精度に大きく影響し,能動触角の動作原理を確保する上で,湾曲形状の触角は好ましくないことがわかった. 次に,対象物の曲率が接触点検出に及ぼす影響について考察した.対象物がエッジ形状の場合,対象物側からみた接触点位置は変わらないが,対象物の曲率が小さくなってくると,対象物側からみた接触点位置は触角の根元側に近づいてくると同時に押し込み方向に遠ざかっていく.この両者に起因する効果は互いに打ち消し合い,結果として対象物の曲率の影響はそれほど大きくないことを理論的に示し,かつH6年度に研究試作した1軸モデルを用いて実験的にも検証することができた. さらに,本システムを3次元空間モデルに拡張した場合の基本的なセンシングアルゴリズムについて考察し,最大3回の押し込み動作で接触位置が検出精度3%以内でセンシングできることを示した.
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