研究概要 |
本年度,深穴加工工具の知能に関し次の2点を完了した。 (1)アクチュエータとしてカム,光学系にHe-Neレザーを用いる旧式のレーザ誘導方式工具を,圧電アクチュエータおよびArレーザを用いる高性能レーザ誘導方式工具に改良した.Arレーザは強力で2波長が利用できる.この高性能レーザ誘導方式工具(φ110)で,深さ800mmの穴をあけることができた.工作物はジュラルミン(JIS A2017-T4)でφ108の下穴があった. (2)比較用表面アラサ標準面(日本金属電鋳(株))を,工業用ファイバースコープ,CCDカメラおよびコンピュータを通し観察し,画像処理を施すことにより,仕上げ面の粗さの程度を簡易的にオフラインで評価することができた.すなわち,工具にオンラインで仕上げ面の異常を認識させれる見通しがたった. なお,工業用ファイバースコープを加工領域が観察できる位置に設置し,切りくずの吸引状況および切れ刃の状態が画像処理を施しオンラインで分かるようになった. これから,工具の最適設計なども含め,理論的・技術的改良を行い,工具の誘導精度を向上し,深さ数mの穴を真直にあけれるようにする.工具に上記の仕上げ面,切りくずの吸引状況および切り刃の状態などの認識機能を付加し,異常検出がオンラインできるようにする.さらに工具摩耗のオンラインでの簡易検出法を開発する.機械の回転数および送りが制御できるよう機械の改造も平行して行う.最終的には,工具に人間の持っている5感の機能を与え,加工状況を識別しながら高品位の穴加工が行えるようにする.
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