研究課題/領域番号 |
06650326
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
荒井 健次 神戸大学, 工学部, 教授 (80031079)
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研究分担者 |
中本 聡 神戸大学, 工学部, 教務職員 (10198260)
竹野 裕正 神戸大学, 工学部, 助手 (90216929)
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キーワード | レーザ生成プラズマ / 誘雷 / 消雷 / 放電光計測 / 衝撃波 |
研究概要 |
今年度も、昨年度と同様、二つの観点からレーザ光生成プラズマの時間発展を調べる実験・解析を行った。 一つは、昨年度得られたプラズマの放射光の測定データを、別の手段で分析した。昨年度行ったプラズマ生成直後の連続スペクトル成分の解析に加え、長時間残留する線スペクトル成分を解析した。線スペクトルのシュタルク広がりから電子密度の算出を行った結果、時定数約8μsecで減衰することがわかった。しかし、その絶対値は、10〜10mの値で、昨年の連続スペクトルの解析から外挿される値と約1桁程度の開きがあった。差の原因として、プラズマ中での光の吸収を考慮して検討し直したが、大きな影響は見られなかった。今後は、さらに線スペクトル強度化の解析等を行うことにより、基本的なプラズマパラメータについて、より多くの情報を得る必要がある。 もう一つは、弱電界印加時のプラズマの挙動の解析を進めるべく、電界をパルス的に印加する実験システムを整備し、プラズマから引き出される電荷量の変化についてデータ収集を行った。実験の際、設備備品として購入した高圧プローブを用いて印加電圧を測定し、パルス状電界を評価した。引き出し電荷量が電極間隔のほぼ2乗に反比例する(電極印加電圧が一定の場合)ことや、微水滴雰囲気を無くすことにより検出電荷量が増大すること、またプラズマ生成時に発生する衝撃波が引き出し電荷量に影響していること等の結果が得られた。この実験は、プラズマの挙動を説明するモデルを発展させつつ行っている。個々の特性に対しての定性的な説明は一応得られるが、すべての現象を矛盾なく説明できるモデルはまだ得られていない。差を埋めるためのより多くの実験データを獲得するには、現有の実験システムでは困難であり、システムの拡張が必要である。
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