研究課題/領域番号 |
06650341
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
依田 正之 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (80103240)
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研究分担者 |
宮地 巌 愛知工業大学, 工学部, 客員教授 (40022933)
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キーワード | 気象衛星(ひまわり) / 赤外画像 / 可視画像 / 画像処理 / 電力気象 / 雷放電現象 / 雷害防止 / 雷観測システム |
研究概要 |
送電線や変電所機器の自然災害保護を対象に、現有設備の気象衛星(ひまわり)画像受信システムを用いて、1時間毎の赤外線および可視画像を受信する。これらの気象画像を電力気象の観点から詳細に検討するために主要設備のパーソナルコンピュータおよびカラープリンタなどを組み合わせた気象衛星画像処理システムを構築した。 雷や台風など電力システムに関係の深い気象の工学的把握を対象としている研究代表者及び研究分担者にとって、平成6年の異常渇水は重要な研究課題である。この年の全ての台風経路を気象衛星画像および地上気圧配置から詳細に検討した。その結果、高気圧と低気圧の強弱とその範囲は、それぞれの年度、季節に応じて台風の誘導・反発と経路変更に強い影響を及ぼすことが判明した。 今後はその一般性を検討するとともに、平成2年の雨台風(T9019)や平成3年の風台風(T9119)の関連する気圧配置との対比について考察を加える予定である。 さらに、雷害防止技術の確立のための変電所侵入雷電流・電圧波形の解析などの雷パラメータの解明に関する研究を実施した。2回線送電線路への雷撃によってどの相が最も地絡し易いか、5相以上の地絡故障で系統が全面停止とならないかなどは関係者の重要関心事である。特に66/77kV送電系統での夏季雷撃地絡故障はその相対的発生頻度が高く早期の解明が望ままれている。77kV系線路を含む2変電所の実測結果に基づく12相雷サージ電圧波形について検討し、そのうち地絡故障となった15例について、逆フラッシオーバ直前の各相対地電圧瞬時値を対象に調査下結果、そのほとんどすべてが正極性領域内にあることを知った。さらにこれら各相の相順と鉄塔上の上、下配列を考慮に入れて、三相電圧波形上で故障時の電圧位相を求めたところ、特に2相地絡の場合この傾向が顕著であることが判明した。 冬季正極雷放電時に計測記録された超急峻波電流について、雷電流の時間変化率に着目し、その記録実績と計測回路定数とから推定した超急峻波電流の存在を指摘し、その具体的数値と送電系統絶縁との関連を検討した。 冬季ロケット誘雷実験に関しては、避雷器電圧波形および耐雷架空地線への雷電流波形を計測することができ、これらの波形について詳細に検討中である。
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