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1995 年度 実績報告書

結晶粒界の機能性を利用した高温超伝導三端子デバイスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 06650349
研究機関東北大学

研究代表者

中島 健介  東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70198084)

研究分担者 陳 健  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (90241588)
明連 広昭  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20219827)
キーワード高温超伝導 / 三端子デバイス / ジョセフソン接合 / 粒界
研究概要

酸化物高温超伝導体の特徴である低キャリア密度と短コヒーレンス長から期待される電界効果は、入出力分離に優れた超伝導三端子デバイスへの応用にとって有望であるが、その実現のためには膜厚数nmの高品質超薄膜、高誘電率絶縁層の開発など解決すべき問題点が数多く残っている。一方、YBCOなどの傾角粒界は、ジョセフソン接合として機能するだけでなくその局所的なキャリア密度の低さから単結晶粒子内部に比べて大きな電界感受性が期待できる。
本研究では、YBCO薄膜の人工粒界における電界効果について調査・研究を行い、以下のような知見を得た。
・超伝導状態のYBCO粒子に挟まれた常伝導状態の人工粒界を流れる常伝導電流に対する電界効果から粒界のキャリア密度が2〜5×10^<20>cm^<-3>とYBCO粒子内部に比べて一桁低く大きな電界変調が得られることを明らかにした。これは、粒界の電界効果チャネルとしての有用性を示す結果である。
・ジョセフソン接合として機能する人工粒界接合における直流・交流ジョセフソン電流に関する電界効果として臨界電流I_cと粒界の共振周波数の変化を観測した。前者についてはSNS接合モデルに基づいて電界による粒界のキャリア密度変調によって定性的に説明できることを示した。後者に関しては、MIS絶縁層に用いたSTOの誘電率-電界依存性を反映した粒界の実効誘電率e^<eff>_r/dの変化が原因であると結論した。e^<eff>_r/dの電界変調は粒界接合を利用したフラックス・フロー発振器(FFO)において粒界内の電磁波の位相速度の制御に応用できるものと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. J. Kim, H. Myoren, J. Chen, K. Nakajima and T. Yamashita: "Successful fabricalication of bicrystal Si Substrates for YBa_2Cu_3O_7-y Josephson Junctions" Cryogenics. 35. 901-903 (1995)

  • [文献書誌] K. Nakajima, K. Yokota et. al: "Field Effectson Dielectric Property of YBCO Bicrystal Grain Boundary Junctions" IEEE Trans. on Appl. Supercond. 5. 2861-2864 (1995)

  • [文献書誌] G. Oya, C. C. Diao, et al: "Atomic oxygen effect on the in-situ growth of stoichiometry YBCO epitaxial films by facing target rf magnetion sputtering" J. Appl. Phys.77. 5809-5818 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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