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1995 年度 実績報告書

磁性超微粒子分散膜における巨大磁気抵抗効果の実験的解明

研究課題

研究課題/領域番号 06650353
研究機関宇都宮大学

研究代表者

石井 清  宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30134258)

研究分担者 大庭 卓也  帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
キーワード巨大磁気抵抗効果 / GMR / 磁気抵抗効果 / グラニュラ磁性体 / 磁性体超微粒子 / ガスフロースパッタ法
研究概要

グラニュラ状の強磁性体が非磁性の金属中に析出した物質において、巨大磁気抵抗(GMR)が観測されている。しかしそれらは、合金の熱的相分離を利用して作製されるため、粒径等を制御することが難しい。本研究では、独立に生成した強磁性体微粒子を他の金属中に分散させながら薄膜化できる新しいプロセスにより、粒径と濃度を独立に制御したグラニュラ磁性体を合成し、GMRの導出とそのメカニズム解明を目指した。得られた研究結果をまとめると次のようになる。
1.ガスフロースパッタ法という本学独自のスパッタ法を利用することにより、CoやNi-Fe合金の超微粒子を分散させた金属膜が作製できることを明らかにした。2.分散させる超微粒子としてCo及びNi-Fe微粒子について調べたところ、平均粒径を20から80Å程度制御できることが明らかになった。3.マトリクス金属としてCu及びAgを採用し、それらの微粒子を分散させた薄膜を作製し、その構造と磁気抵抗を調べた結果、次の点が明らかになった。(1)超微粒子が5%程度以下の時は、良好な分散製が推察された。(2)分散量を増すと膜密度が低下するとともに、金属微粒子が酸化し易くなることが分かった。(3)これらの分散膜の磁気抵抗は、GMRであると結論された。(4)超微粒子の密度が増すと微粒子の磁化がブロックされ強磁性的になるが、その状態でもGMRが現れることが明らかになった。このことは、本プロセスにより粒径の小さな磁性体超微粒子を密に分散させた金属膜において、低磁場で変化率の大きなGMRが実現できることを期待させるものである。特にこの知見は、本研究によって初めて得られた重要な結果である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Ishii: "Formation of Magnetic-particle-sidpersed Metal Films by Gas-Flow-Sputtering" Proceedings of the first Magneto-Electronics International Symposium. 109-112 (1994)

  • [文献書誌] 石井清: "ガスフロースパッタ法とその応用" IONICS. 21. 21-28 (1995)

  • [文献書誌] 石井清: "ガスフロースパッタ法によるCo微粒子を含むCu膜の作製" 日本応用磁気学会誌. 20(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] K. Ishii: "A New Method for Producing Glanular Materials" Material Science & Engineering A. (印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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