研究課題/領域番号 |
06650365
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
奥田 高士 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60233459)
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研究分担者 |
安達 信泰 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (90262956)
大里 斉 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20024333)
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キーワード | 非熱平衡物質 / Bi_3Fe_5O_<12>ガ-ネット / 超強磁場ファラデー回転能 / 交互イオンビームスパッタ技術 / 元素置換 |
研究概要 |
これまでに非熱平衡物質Bi_3Fe_5O_<12>ガ-ネット(以下BIGと呼ぶ)のファラデー回転能(以下θ_Fと呼ぶ)が室温で波長633nmにおいて-8deg/μmもの巨大な値を示すことを報告した。同じ結晶構造をもつY_3Fe_5O_<12>(以下YIGと呼ぶ)のYをBiで置換する場合、2Bi原子/化学式まで熱平衡相として得られ、θ_Fは2(deg/μm)/(Bi原子/化学式)の割合で直線的に増加する。すなわち2Bi原子/化学式以上置換するとθ_Fは非線形的に増加する。一方、BIGの磁気機造は0〜1.5Tの低磁場領域での磁化、外部磁場を印加しない転換電子メスバウアー分光などの測定を通じてYIGと同様にコリニアーなフェリ磁性機造であることを明らかにしてきた。本年度はびの磁性および磁気光学的性質に対するBi^<3+>の役割の研究の一環として、150Tまでの超強磁場を印加して波長633nmにおけるθ_Fの磁場依存性を室温で測定し副格子間の相互作用を詳細に研究した。試料はGd_3(ScGa)_5O_<12>ガ-ネット単結晶基板(111)面に成長させた。θ_Fは低磁場で飽和後直線的に減少した。減少率は87deg/cm/T以上であり、YIGの値18.6deg/cm/Tの8.5倍以上という異常に大きく、Bi置換量に比例することを見いだした。また150Tまでスピンフリップ現象は超こらないことも見いだした。これらの結果から強磁場下でのBIGのファラデー効果には四面体位置の電子遷移が大きく関与していると結論される。 BIGにおける元素置換を行う方法として交互イオンビームスパツタ技術の開発を進めた。A1^<3+>やGa^<3+>のようにガ-ネット構造の四面体位置および八面体位置に入りやすいイオンはBIG中でも結晶成長中に十分拡散し一様に置換されるが、Co^<2+>のような2価イオンは置換されにくい傾向があることを見いだした。
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