研究概要 |
発光ダイオードを実現する上での重要な因子は、p-n接合と電極形成であり、それぞれについて下記のとうり研究を行った。 〔p-n接合の形成〕: ディメチル亜鉛(DMZn)とディエチルテルル(DETe)を原料ガスとし、トリエチルアルミ(TEAl)をn形のドーパントとした有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)を用いて、ブリイジマン法にて育成したp形のテルル化亜鉛基板上にホモエピタキシャル成長を行った。得られた成長層は、低抵抗でn形の電導形(例えば、〜0.3Ω・cm、移動度 〜200cm^2/V・s)を示した。そこで、n形の成長層を再現性良く、かつ制御性良く得るための成長条件とド-ピング条件を確立した。また、ホトルミネッセンセンス法による光学的評価を行った所、A1が結晶中に有効に取り込まれている事が判った。 〔電極形成及びダイオード特性〕: 金(Au),マンガン(Mn)及び タングステン(W)等を電極材とし、メッキ法、真空蒸着法等を用いて電極形成を行った。電極としての適応性を電気的方法等を用いて評価した所、Au/Wの二層構造が最適であった。試作したダイオードは、典型的な特性を示したが、充分な電流密度が得られず、発光には到らなかった。その原因として電極のオーミックコンタクトの問題が考えら、電極材、構造及び形成方法についてのより一層の研究が必要である。 本研究の成果の一部は、Jpn.J.Appl.Phys.vol.33(1994)pp.L980 等に報告した。
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