研究課題/領域番号 |
06650374
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
星 陽一 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (20108228)
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研究分担者 |
鈴木 英佐 東京工芸大学, 工学部, 講師 (60113007)
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キーワード | 磁気記録媒体 / バリウムフェライト薄膜 / 垂直磁気記録 / スパッタ / ZnO薄膜 / 対向ターゲット式スパッタ / 原子層成長 / 磁気的相互作用 |
研究概要 |
六方晶バリウムフェライトは機械的にも化学的にも優れており、低ノイズの高密度磁気記録媒体材料として有望と考えられている。本研究ではこのバリウムフェライト薄膜媒体をスパッタ法で実現するための基礎的な検討を行っている。 バリウムフェライト薄膜の配向性と結晶粒子サイズを制御するため、ZnO下地膜を堆積し、その上に、バリウムフェライト薄膜を堆積した。その結果、250℃で堆積したZnO下地膜を用いることで、C軸配向膜の結晶粒子径を300Å程度まで減少できること、ランダム配向のバリウムフェライト薄膜は、熱酸化Si基板上に形成できるが、結晶粒子が大きく成長するため、粒子径を小さくするための対策が必要であること、等が明らかになった。これらの膜中の磁性粒子間の磁気的相互作用を、残留磁化特性などから検討した結果、膜面内で磁性粒子間に働く磁気的相互作用は小さいものの、膜面垂直方向で大きな負の磁気的相互作用が働いていることが分かった。 ランダム配向膜の粒径の微細化については、現在、膜厚、基板温度などを変えることにより、可能性を探っている段階である。 一方、保磁力の測定磁界方向による変化から、得られた膜の磁化機構としては、塗布型媒体と類似のファンニング機構が働いていることも明らかになって来た。 原子層成長によるバリウムフェライト薄膜の低温成長を実現するため、ステッピングモータを用いて、スピネル層とBaを含んだ層を交互に積層できるような装置を製作し、これを用いて現在、バリウムフェライト薄膜の堆積を試みている。原子層成長が可能なことは、確かめられたものの、低温化などについての、検討について、現在実験データを集めているところである。
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