| 研究概要 |
理論解析を,より実際的にするため,基本ガウスビームを用いた位相共役鏡の結像式を導き,その回折像を数値計算した.これにより,ポンプ光の波面曲率に起因するプローブ光と位相共役の波面のずれが画像再生能力に及ぼす影響を明らかにすることができた.
通常の自己励起型位相共役器(SPPCM)をBaTiO_3ホトリフラクティブ結晶を用いて実現できた.また,SPPCMとして動作しているBaTiO_3結晶中にブローブビームを照射し,自己励起型4光波混合(SPFWM)を実現できた.
BaTiO_3結晶を位相共役器として用いる場合,動作が不安定でそのデータの再現性が乏しいことが従来から指摘されていた.これらの原因は複数の干渉縞が結晶内部の同一の領域につくられ,複数の屈折率格子がお互いに競合するためであることが実験的に確かめられた.従って相互作用領域を空間的に分離することにより安定なSPFWM動作を実現できた.またSPFWMの立ち上がり時間は秒のオーダであり,SPPCMのそれ(分のオーダ)に比較して非常に短いものであることが実験的に確認された.
以上を要するに1つのホトリフラクティブ結晶内で自己励起位相共役と4光波混合を同時に動作させることにより,SPPCMの簡単な光学系とFWMの応答の早さを併せ持つ位相共役器を実現できた.また,安定かつ再現性の良い動作を実現できた.更に,その性能を明らかにすることができた.
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