研究概要 |
自動車電話,携帯電話をはじめ可搬端末など,移動体通信の需要は急激に増大している。これに対して,利用できる周波数が限られていることから,周波数の有効利用が重要(特に都市内では深刻)な課題となっている。これに対応する技術としてセルラ-方式があり,現在このセルの大きさの極小化(マイクロセル化)及び平面セル(2次元)から立体セル(3次元)へと多次元化してきている。このマイクロセルラ-方式では,各セルにチャネルをいかに効率良く割当てるかが周波数の有効利用にとって大切である。一方で,サービスエリア内のセルの配置(チャネル配置ではない)は従来固定しており,動かないものと考えられてきた。しかし,サービスエリア内の通信の要求の程度に応じて,ダイナミックにセル配置を変えると,非常に大きな周波数の有効利用がはかれることが判明してきた。本研究はマイクロセル移動体通信系において,ダイナミックにセル配置を行い,それと同時にそれらのセルにダイナミックチャネル割当を適用し,チャネル利用効率を大幅に改善する方法を開発することを目的としている。本年度は以下の結果を得た。 1.サービスエリアの呼量に応じたダイナミックセル配置法の開発を計算幾何学のボロノイ図を描く手法を用いて行い,セル配置のモデル化と定式化を行った。 2.少数のセルにおいては,ダイナミックにセルを配置することが有効であることをコンピュータシミュレーションにより確認した。 3.電力を制御することにより,多数のセルをダイナミックに変化させる場合,セル配置に困難がともなうことが判明した。
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