研究概要 |
1.動きベクトル検出の最適化 サブバンド分割画像に対して階層的にブロックマッチング法を適用することにより、検出精度が高められることを確認した。ベクトル検出のための閾値など、パラメータ最適化を行うとともに、階層数については3層が適当であり、これ以上に階層を増やしても特性が飽和することを確認した。また、半画素精度でのベクトル検出とブロックサイズの関係を明らかにし、動きの細かい画像では小さいブロックサイズを使用するのが有利であるのに対し、パニング画像など激しい動きの画像では半画素精度でのベクトル検出が効果的であるとの知見を得た。 2.画像の領域分割と輪郭抽出 大きいブロックサイズから順次ブロックサイズを小さくして動きベクトルを求め、最終的に画素レベルでの動きベクトルを検出することにより静領域と動領域を分離し、その境界線から動物体輪郭を抽出するアルゴリズムの検証を行った。画像中の雑音による輪郭の誤検出,輪郭線の途切れ等の不完全性が残るが、フィルタ操作によりある程度改善されることを確認した。輪郭抽出の精度を高めるために、動きベクトルに加えて濃淡レベルあるいは色差レベル等を用いたアルゴリズムの改善が今後の検討課題である。 サブバンド画像符号化 サブバンド分割された画像間において信号電力が分布する位置の相関性を利用した符号化法の検証を行い、高周波成分画像をアドレス情報を必要とせず選択的に符号化・伝送する高能率符号化アルゴリズムを開発した。また、オクターブ分割したサブバンド画像にゲイン・シェイプベクトル量子化を適用することにより、演算量を軽減でき、同時に圧縮率の向上を図るアルゴリズムの検討を進めた。
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