研究概要 |
申請者らが提案し理論的考察を進めてきたISMA方式は、第3世代ワイヤレスネットワークにおける音声とデータの統合伝送などに適した、高い柔軟性、信頼性、効率を持つ方式であることが知られている。本研究の目的は、小規模なISMAシステムの試作を通して、その実現に際しての問題点を探り、細目の検討、方式の修正などを行うことである。 本年度は 1.400MHz帯のFM無線機、モデム、制御用コンピュータを用いて、ベース局と1端末を構成、各々のISMAプロトコルを組み込んだ。 2.変調は9,600bpsのGMSK方式を採用し、とりあえずハードウェアによるモデムを用いて、ダミ-ロードによる実験を行い、計画通りの動作を確認した。 3.また、並行してDSPにMSKモデムの設計、試作を行い、基本動作の確認、誤り率の測定などを完了した。 4.その結果、複数台の端末を持つより本格的なシステムの構築に進前に、以下の点を検討する必要があることが明らかになった。 (1)ISMA方式のハードウェアにとっては、無線機の送・受切り替え速度が最重要であるが、現在の機種では速度が充分でなく、改造が必要である。ただし、ソフトウェアからも、現在の速度よりは若干の改良は望める。 (2)現在のハードウェアモデムに代えて、より柔軟性のあるDSPモデムを採用するため、現在は1,200bpsであるDSPモデムの伝送速度を9,600bpsに上げ、また、さらに高速化を検討する。
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